鍋料理が恋しい季節になってきました。
熱々のおでんをハフハフいいながら食べたいですね。
さて、ここでは、おでんのこんにゃくを美味しくするためのちょっとした工夫をお伝えしていきたいと思います。
おでんのこんにゃくを美味しく食べるための工夫
塩もみアク抜き法
こんにゃくはその独特の風味や臭いが原因で、適切な下処理が重要です。ここではその工程をまとめてみました。
1. こんにゃくを好みの形にカット
まず、板こんにゃくを三角形や一口大にちぎり分けます。三角形にカットする場合は、味が染み込みやすくするために表面に格子状の切り込み(隠し包丁)を入れるのがポイントです。ちぎる場合は、そのままでOKです。
2. 塩もみでアク抜き
次に、こんにゃくのアク抜きです。以下の手順で行います。
①塩を振る: 板こんにゃく1枚に対して大さじ1程度の塩をふりかけます。
②軽くもむ:手で軽く揉んで、全体に塩を行き渡らせます。
③放置:5分程度放置して、こんにゃくから余分な水分とアクを出します。
④水で洗う: 最後に、こんにゃくを水でしっかり洗い流して塩分とアクを取り除きます。
この塩もみのプロセスによって、こんにゃくの独特な臭いが軽減され、味もしっかり染み込むようになります。
3. 下茹で
塩もみの後は、こんにゃくを沸騰したお湯で数分間下茹でしておきましょう。これにより、さらにアクが抜けて臭みも完全に取れ、おでんの出汁がしっかり浸透する準備が整います。
こんにゃくの臭いの原因は、製造過程で使われる凝固剤(水酸化カルシウムなど)です。この成分が残っていると風味に影響を与えるため、塩もみや下茹でが特に効果的です。
これらのステップを踏めば、こんにゃくがただの脇役ではなく、おでんの名脇役としてその美味しさを発揮すること間違いなしです!
超重要!!アク抜きの仕上げの下茹で!
アク抜きの仕上げとして、下茹では非常に大切な工程です!こんにゃくの独特の臭みやアクをしっかりと取り除き、味が染み込みやすくするために、熱湯での下茹でを行うことで、こんにゃくが一層美味しくなります。
下茹でのポイント
熱湯に投入
沸騰したお湯を準備し、その中にこんにゃくを入れます。ここが重要な点で、他の具材(大根やじゃがいも)と違って、こんにゃくは**水からではなく沸騰したお湯に入れます。これにより、アクがしっかりと抜けて、こんにゃくの質感が引き締まります。
茹で時間
2~3分程度で十分です。長く茹ですぎると食感が損なわれるので注意しましょう。
冷水にさらす
茹で上がった後は、冷水にさらして余熱を取ると、食感がさらに良くなります。
! 電子レンジで手軽にアク抜き!
手軽にアク抜きを済ませたい場合、電子レンジを使った方法もあります。
①耐熱ボウルにこんにゃくを入れて、ラップを軽くかけてから2分程度加熱します。
②加熱後、出てきた水分を捨てて、こんにゃくを水でさっと洗い流せば完了です。
ただし、個人的にもやはりお湯を使って下茹でをする方をおすすめします。お湯の中にこんにゃくのアクがしっかりと溶け出すので、より完全にアクが抜ける感覚があります。また、下茹での方が食感が引き締まり、味の染み込みも良くなるので、特におでんのような煮込み料理には最適です。
これらの手順を踏むことで、おでんの中でこんにゃくが一段と美味しい名脇役に仕上がります!
ところで、こんにゃくの臭みの原因は?
こんにゃくの臭みの原因については、非常に興味深い事実があります。こんにゃくの独特な生臭いような臭いは、主に「トリメチルアミン」という成分と、こんにゃくを固めるために使用される「凝固剤(水酸化カルシウム)」が原因です。
トリメチルアミン
トリメチルアミンは、魚の生臭さの元となる成分でもあります。魚の臭いと同じ成分がこんにゃくにも含まれているため、こんにゃくを開封した際に感じるあの独特な臭いは、まさに「生臭い臭い」というわけです。これが、おでんや他の料理にそのまま使うと、料理全体に影響を与える可能性があります。
凝固剤(水酸化カルシウム)
もう一つの原因である「水酸化カルシウム」は、こんにゃくを固めるために使用される凝固剤です。水酸化カルシウムは強いアルカリ性で、こんにゃくを作る際に不可欠な成分ですが、このアルカリ性の物質が独特の「アルカリ臭」を発します。このため、アミン臭とアルカリ臭のダブルパンチで、こんにゃくは特有の強い臭いを放つことになります。
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アク抜きの重要性とひとこと
このように、トリメチルアミンと凝固剤による強い臭いがあるため、こんにゃくの下処理(アク抜き)は非常に重要です。適切にアク抜き(塩もみや下茹で)を行うことで、これらの臭いが除去され、料理の風味を損なわないようにできます。特におでんのような長時間煮込む料理では、この下処理が料理全体の味を引き締めるための鍵となります。
最後に一言。知れば知るほど、こんにゃくのアク抜きがどれだけ大切かがわかりますね!これをしっかりやれば、おでんの名脇役としてこんにゃくは最高のパフォーマンスを発揮してくれるでしょう!